2004.07.08 当社が日本経済新聞に掲載されました

日本経済新聞2004.07.08 
特集 『ベンチャー・大学発ビジネス 日本のキラ星企業』


システムエルエスアイ(松山市、中浦一浩社長)は大規模集積回路(LSI)の開発、設計を手掛ける。
受託事業が売上高の8割を占めるが、3年後には逆に独自事業を7割へと高める方針を掲げ、新技術の
構築やグループ展開を進めている。ハードディスク駆動装置(HDD)分野の技術をいかし、大手電子部品
メーカーと共同で研究開発も実施中だ。
同社は松山市南部のベンチャー支援施設、テクノプラザ愛媛に入居。
国内大手家電、AV(音響・映像)メーカーなどから発注を受け、画像処理やデータ制御、通信、パソコン
との接続円滑化など各機能に応じたLSIを設計する。
LSIはHDDに組み込んで作動、パフォーマンスを最適化する。HDD基盤の配置設計や原型試作のほか、
技術面のコンサルティングなどもする。「HDD技術を持ったベンチャー企業が少ない」(中浦社長)のが
利点となっている。
開発や設計に特化しており、試作品製造などで必要な場合は台湾の提携工場を活用、身軽な
ファブレス(工場なし)メーカーに徹する。
中浦社長は大学を卒業後、松下寿電子工業に入社。松下電器本体の研究機関に6年間出向後、
米国・シリコンバレーのベンチャー企業で2年間共同開発に参加した。
HDDなどの知識を学んだ松下寿には通産14年在籍、1998年に会社を設立した。
受託開発では投入した人員と必要な時間から請負費用を算出する一般的な計算方法ではなく、
業務内容ごとに設定した費用を請求する方式をとる。同業他社との安値競争に巻き込まれるのを
避けるねらいだ。
独自開発では02年に動画や静止画の圧縮技術を開発した。計算を簡易化し、JPEG方式の
150分の1の計算量で処理可能な設計とした。しかし業界標準となれず、販売は難航している。
03年には手首などの筋肉の微細な動きで起こる電気の測定装置を試作した。汗や温度などで
精度が左右され、実用化に至っていないが、ちょっとした動きで指示を機械に入力できるため、
身体に脱着可能なパソコンへの応用を視野に入れる。
現在最も力を入れているのはHDDの容量を最大50%高める基礎技術の研究だ。
大手電子部品メーカーと協力し、05年末にも市場への投入を目指す。
HDDで必然的に生じる電気信号ノイズの影響を大幅に減らすため、アルゴリズム(計算方法)
「LDPC符号化方式」を採用。ノイズによるデータエラーを迅速に訂正する。この方式は従来から
存在したが、計算量が膨大で消費電力が大きくなるなど実用化に不向きだった。
基本仕様を簡易化し、道筋をつけた。


(松山支局 寺井伸太郎)